寒い冬には、カラダに不自然な力が入ったり、寒さによって自律神経の乱れを引き起こすために、
筋肉の緊張が強まります。
いきなりですが、左右に振り向くように首を振ると、どちらがいきにくいですか?
または両方動きにくい方、 試しに横に向いたほうと反対側の浮き上がる太いスジのような筋肉をつまんで
みてください。
痛い方は首コリの原因は、この首の前側にある筋肉にあるかもしれませんよ。
首を支える胸鎖乳突筋
「首コリ」の原因になる筋肉のひとつに、首の前側から支えるの大きな筋肉「胸鎖乳突筋」があります。
どんな役割をするの?
「胸鎖乳突筋」は、耳の後ろの触れると丸みをおびた骨(乳様突起)と、鎖骨、胸骨柄(きょうこつへい)
を つなぐ首の左右側面にあります。首を横に回すと浮き出てくるスジみたいな筋肉です。
右両側が同時に働くと首を前方に曲げ、片方だけが働くと頭を横に向ける動きに関係します。
また、頭と胴体をむすぶ架け橋のような筋肉で、コリから血流が悪くなると脳に運ばれる血液や
酸素の量に悪い影響がでます。
頭はどれくらいの重さ?
外科手術の専門誌「Surgical Technology International」に掲載されたレポートに(2014年掲載)
スマートフォンなど携帯端末をながめているときの首の前傾角度と、脊椎(背骨)にかかる負荷の驚く
数値が報告されていました。
通常の立ち姿勢で、脊椎が自然なカーブを描いているときには4.5〜5.4kg程度(平均的な頭部の重さ)
の負荷が、15度前傾すると倍以上の12.2kg。
さらに30度では18kgに、60度では27kgにまで負荷が増えるとしています。
27kgというのは大人用の4号ボーリング玉6個分くらいに相当する重さといいます。
想像以上の重さではありませんか?
姿勢と胸鎖乳突筋の関係
筋肉のついている位置からもわかるように、胸鎖乳突筋が硬くなって縮むと、頭の位置が 前にたおれ、
姿勢が悪くなります。
または、日頃の姿勢が悪いから、胸鎖乳突筋が硬くなるともいえます。
頭の位置が前にいきやすい人は、必ずといっていいほど、胸鎖乳突筋がカチカチになっています。
首の後ろは伸びてカチカチ、前は縮んでカチカチ状態に。
また頭を下に向ける時にも使われる筋肉なので、スマホを使っているとき、本を読んでいる時、
家事全般など、うつむいた姿勢の時は、この筋肉に常に 負荷がかかっているということになりますね。
それから胸鎖乳突筋は、呼吸を補助する作用もあるため、風邪や花粉症などで呼吸器系に負担がかかることも
コリの原因となります。
カラダはよい姿勢の場合、かかる負荷を分散させ、下半身や体幹の筋肉と力を合わせて支えていますが、
その筋肉の支える力が弱い場合は、首、肩周りの筋肉がよりがんばって支えることになるので、 筋肉の負担、
疲労もさらに大きくなります。
ストレス、内臓のはたらきにも関係している
筋肉のコリは、胸鎖乳突筋をとおって走っている迷走神経にも影響します。
迷走神経は、胃や腸など のはたらきに関係し、また、リラックスしたときに働く自律神経(副交感神経)
でもあります。
神経が圧迫され、副交感神経の働きが悪くなると、臓器の働きも悪くなってしまいます。
その他にも、自律神経のバランスが乱れることになるため、頭痛、イライラや不安感などの 精神的ストレス、
不眠、倦怠感などあらゆる不定愁訴(はっきりとした理由がわからない不調) の原因となってしまいます。
周りからほぐす改善法
首コリはつらいと、ゴリゴリほぐしてしまいがちです。
プロの施術は別として、特に首の後ろの筋肉は自分でほぐすことが難しく、強くもんだり、
たたいたりすると、その刺激から身を守ろうとする 筋肉が反応して、さらに硬くなってしまうことがあります。
また、様々な神経が通っている急所ですし、頸動脈などの血管、リンパの流れ道になっているので、痛めやすい
ので注意が必要です。
そこで、直接刺激するよりも安全なアプローチのしかたをお伝えします。
<鎖骨周辺をほぐす>
- 鎖骨の下のくぼみを、鎖骨に沿って指先で押していくと、 痛みを感じる部分があります。
- その部分を軽く押さえた状態で、 鎖骨と同じ側の肘を90°ぐらいに曲げ上げたり下げたりします。
- やりにくければ、痛む部分を軽くおさえた状態で、 顔をゆっくりと上や押さえた鎖骨の反対側
斜め上に向けます。 鎖骨から首の皮膚が気持ちよく伸びるくらいでOKです。
<耳をほぐす>
- 片方ずつ耳の根元に近い部分を、上下左右の横に広げるようにひっぱります。
- またはゆっくりぐるぐる回します。
- 初めは、引っぱるのは軽くにして、加減を調整してください。
こらからまだ寒さが続きそうですね。、冷えて縮こまってしまうと姿勢も崩れますから
特に「首」「手首」「足首」の3つの首回りを温めてあげてくださいね~。
骨盤力で歪み、痛み、不調と美しいプロポーションを同時にケアする